監修:葬祭ディレクター1級 牧 和彦
大野城市の火葬場「筑慈苑」ガイド|料金表・施設の使い方・予約の注意点
大野城市には市単独の火葬場がありません。大野城市民が亡くなった場合、火葬は筑紫野市大字山家にある筑慈苑(ちくじえん)で行うのが基本です。
この記事は、大野城市から筑慈苑を利用する方に向けて、組合加入の経緯、料金の仕組み、待合室・霊安室・葬斎施設という付帯施設の使い方までを解説します。葬儀全体の流れは大野城市の葬儀ガイドをご覧ください。
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大野城市と筑慈苑——平成21年からの広域連携
筑慈苑は、筑紫野市・春日市・大野城市・太宰府市・朝倉郡筑前町の5市町が「筑慈苑施設組合」を構成して共同運営する公営火葬場です。所在地は福岡県筑紫野市大字山家3745番地1、電話は092-926-1892です。
大野城市は平成21年4月からこの組合に加入し、以降、市の火葬業務を筑慈苑で行っています。単独で火葬場を建設・維持するのではなく、近隣市町と広域で連携することで、市民が低廉な料金で火葬を利用できる仕組みを実現している——これが大野城市の火葬行政の形です。
「なぜ大野城市に火葬場がないのに、市民は安く使えるのか」という疑問への答えが、この組合方式にあります。
料金表——管内25,000円・管外67,000円
筑慈苑の料金体系は「管内利用」と「管外利用」に分かれます。大野城市公式サイトが公表している使用料は次のとおりです(2024年10月時点)。
| 種別 | 区分 | 単位 | 管内利用 | 管外利用 |
|---|---|---|---|---|
| 火葬施設 | 10歳以上 | 1体 | 25,000円 | 67,000円 |
| 火葬施設 | 10歳未満 | 1体 | 15,000円 | 40,000円 |
| 火葬施設 | その他(胎児等) | 1件 | 8,000円 | 20,000円 |
| 火葬施設 | 改葬 | 1棺 | 20,000円 | 62,000円 |
| 待合室 | 和室(40人程度) | 1室1回 | 2,080円 | 3,350円 |
| 待合室 | 洋室(20人程度) | 1室1回 | 1,560円 | 1,680円 |
| 葬斎施設 | 通夜 | 1夜 | 26,180円 | 88,170円 |
| 葬斎施設 | 葬儀 | 1回 | 15,700円 | 57,620円 |
| 葬斎施設 | 法要等 | 1回 | 2,080円 | 4,460円 |
| 葬斎施設 | 延長(1時間ごと) | 1回 | 2,080円 | 4,900円 |
| 霊安室 | 24時間ごと | 1体 | 2,080円 | 6,290円 |
火葬料(10歳以上)だけで、管内と管外では42,000円の差があります。
管内利用の条件を正しく理解する
管内利用とは、死亡者の住所(住民基本台帳)が構成5市町(大野城市・春日市・筑紫野市・太宰府市・筑前町)にある場合を指します。大野城市に住民票がある方が亡くなった場合は管内利用となり、10歳以上の火葬料は25,000円です。
管外利用は、管内利用以外で次のいずれかに該当する場合です。第一に、死亡者の本籍地または死亡地が構成市町である場合。第二に、死亡者の住民基本台帳登録が構成市町以外の人で、その死亡者の火葬または葬儀等を主催する人が構成市町の住民である場合です。
つまり、他市にお住まいだったご親族でも、大野城市民である喪主が主催すれば筑慈苑を利用できます(管外料金)。注意したいのは、大野城市に長く暮らしていても、介護施設への入所などで住民票を他市へ移していれば管外扱いになりうるという点です。故人の住民票の所在は、早い段階で確認しておきましょう。
利用時間と休業日
筑慈苑には明確な時間の区切りがあります。
火葬の柩(ひつぎ)受入時間は、午前9時30分から午後4時までです。大野城市内の会場で告別式を行い、筑慈苑へ移動する場合、この時刻から逆算して出棺時刻を設定します。
葬斎施設の利用時間は、通夜(1夜)が午後3時から翌日の午前9時まで、葬儀(1回)が午前9時から午後2時まで、法要等(1回)が午後2時から午後5時までです。霊安室の受付時間は午前8時30分から午後5時30分で、利用は24時間の範囲内で許可を受けた時刻までとなります。
休業日は、1月1日のほか、施設点検のため春季・秋季に各1日設けられています。休業日には火葬業務が行われないため、日程調整が必要になることがあります。
待合室の使い方——和室と洋室
火葬の待ち時間は1時間以上に及ぶこともあります。筑慈苑には2種類の待合室があり、人数に応じて選べます。
和室は40人程度収容(1室1回2,080円・管内)で、親族が多い場合に適しています。洋室は20人程度収容(1室1回1,560円・管内)で、少人数の家族葬に向いています。高齢の方には椅子で過ごせる洋室が楽な場合もあります。
家族葬の広がりで少人数の火葬が増えているため、人数と過ごし方に合わせた待合室選びも、細かいながら当日の快適さを左右するポイントです。
霊安室の活用——安置場所の選択肢
見落とされがちですが、筑慈苑には霊安室があり、24時間ごと2,080円(管内)で利用できます。
法律上、死亡後24時間は火葬できません。また、筑慈苑は5市町から利用が集まるため、予約状況によっては火葬まで数日待つこともあります。その間の安置場所として、自宅、葬儀社の安置施設に加え、筑慈苑の霊安室という選択肢があることを知っておくと、状況に応じた判断ができます。
特に直葬(火葬式)を検討している場合、安置場所と費用の計画は重要です。詳しくは大野城市の直葬・一日葬をご覧ください。
葬斎施設で式まで行うという選択肢
筑慈苑の葬斎施設では、通夜・葬儀を行うこともできます。管内利用なら通夜26,180円、葬儀15,700円と低廉で、式から火葬まで移動なく完結できるのが利点です。
ただし、葬斎施設は1室のみです。5市町の広域から利用が集まる中で、希望日に確保するのは容易ではありません。また、筑慈苑は山あいに位置するため、参列者のアクセスや、通夜での宿泊環境は市内のホールに劣ります。
大野城市には、御笠川エリアにメモリードホール大野城(最大300名)とアネックスホール大野城(最大100名)の2館があり、設備・アクセスとも整っています。「式は市内のホールで、火葬は筑慈苑で」という組み合わせが、実際には最も選ばれている形です。会場の比較は大野城市の葬儀場・ホールの選び方をご覧ください。
予約の取り方と当日の流れ
筑慈苑の火葬予約は、通常、葬儀社を通じて行います。葬儀社が手続きを代行するため、ご遺族が直接やり取りする必要は基本的にありません。
必要書類は、死亡届を提出後に交付される火葬許可証です。これがないと火葬ができません。火葬当日は、予約した時間に筑慈苑へ到着して受付を行い、故人を火葬炉へ送ります。火葬中はご遺族が待合室で過ごし、終了後に収骨室で骨上げを行います。
なお、火葬に立ち会えず収骨した遺骨を引き取れない事情がある場合の手続きや、火葬証明書・使用料納付証明書の交付(1通300円)といった事務も筑慈苑で扱っています。
棺に納められないものに注意
火葬では、棺に納める副葬品に制限があります。焼骨の損傷や有害ガスの発生、火葬炉の故障を防ぐためです。
一般に、プラスチック製品・化学繊維製品・革製品、ガラスや貴金属、メガネ、燃えにくい厚い書籍や寝具、大量の生花や果物、金属製品、スプレーやライター・電池などの危険物は納められません。ペースメーカーなど体内に残っている医療機器がある場合は、予約時に申し出が必要です。何を納めてよいか迷う場合は、事前に葬儀社や施設に確認しましょう。
費用は火葬料だけではない
筑慈苑の使用料は葬儀費用の一部にすぎません。総額は、葬儀社のプラン費用、飲食・返礼、お布施、そして筑慈苑の使用料を合わせたものになります。
また、葬儀後には給付金を申請できます。故人が大野城市の国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合は葬祭費が支給され、後期高齢者医療制度では福岡県内一律で3万円です。申請方法は大野城市の葬儀後の手続き・葬祭費ガイド、費用の全体像は大野城市の葬儀費用相場で解説しています。
筑慈苑へのアクセス
筑慈苑の所在地は筑紫野市大字山家3745番地1です。公式に案内されているアクセスは、西鉄筑紫駅からタクシーで約10分、JR鹿児島本線原田駅からタクシーで約15分。高速道路では筑紫野インターチェンジから8.7km・車で約25分、太宰府インターチェンジから13.8km・車で約30分です。
大野城市の御笠川エリアからは、九州自動車道や国道を経由しての移動になります。告別式の終了時刻から出棺・移動・到着までを逆算し、柩受入の午後4時に確実に間に合う進行を組むことが、当日の段取りの要になります。この移動には霊柩車とマイクロバス(またはご親族の自家用車)の手配が伴うため、高齢の参列者が多い場合は移動の負担にも配慮しましょう。
大野城市の会場から筑慈苑への一日の流れ
実際の一日をイメージしてみましょう。午前中に大野城市内のホールで告別式を執り行い、正午前後に出棺。霊柩車を先頭に筑慈苑へ移動し、午後の早い時間に到着・受付。火葬炉の前で最後のお別れをして火葬に入り、待合室(和室または洋室)で1時間程度過ごした後、収骨室で骨上げ。その後、ホールや料理店へ戻って精進落とし、というのが標準的な流れです。
近年は初七日法要を告別式当日に繰り上げて行う「繰り上げ初七日」が一般的で、収骨後にあわせて営むことで、遠方の親族が再度集まる負担を減らせます。こうした一日の設計は、専任の葬祭ディレクターが担当します。
よくある質問
「大野城市民の火葬料はいくらですか」という質問には、故人の住民票が大野城市(を含む構成5市町)にあれば管内利用となり、10歳以上で25,000円とお答えしています。「大野城市はいつから筑慈苑を使っていますか」という質問には、平成21年4月に筑慈苑施設組合に加入して以降とお答えしています。「待合室は必ず借りる必要がありますか」という質問には、必須ではありませんが、火葬の待ち時間が1時間以上になることもあるため、人数に応じて和室(40人程度)か洋室(20人程度)の利用をおすすめするとお答えしています。「筑慈苑で通夜や葬儀もできますか」という質問には、葬斎施設があるため可能だが1室のみで予約が取りにくいことがあるとお答えしています。
この記事のまとめ
大野城市の火葬は、平成21年から加入する筑慈苑施設組合の共同運営により、管内25,000円という低廉な料金で利用できます。柩の受入は午後4時まで、休業日は1月1日と春秋各1日。待合室・霊安室・葬斎施設という付帯施設の使い方を知っておくと、状況に応じた柔軟な計画が立てられます。
筑慈苑の予約、式場の確保、移動の手配までまとめて任せたい方は、地域の事情に精通したメモリードへご相談ください。
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※筑慈苑の使用料・利用時間・休業日は変更される場合があります。最新情報は筑慈苑施設組合(092-926-1892)または大野城市の公式情報をご確認ください。本記事の料金は大野城市公式サイト掲載の公表値(2024年10月時点)に基づきます。
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