監修:葬祭ディレクター1級 江越 富士男

長崎市の葬儀後の手続き・葬祭費ガイド|給付金と実務の進め方

葬儀は、終わってからやるべきことが数多くあります。精算や挨拶まわりに加え、各種手続きや給付金の申請、法要・納骨の準備など、悲しみの中で進めなければならない実務が続きます。

この記事は、長崎市で葬儀を終えた後にやるべきことと、受け取れる給付金に特化して解説します。葬儀の前の準備は長崎市の葬儀 事前相談ガイドで扱い、本記事は「葬儀後」に集中します。

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葬儀後にやるべきことの全体像

葬儀後の主な実務は、おおむね次のように整理できます。

まず葬儀費用の精算。次に、お世話になった宗教者や町内会・自治会、参列者への挨拶まわり。そして、後述する給付金の申請を含む諸手続き。さらに、四十九日や一周忌などの法要、仏壇・墓地の準備、納骨へと続きます。

これらは同時に進める必要はありません。期限のあるもの(給付金の申請など)から優先的に手をつけ、法要や納骨は落ち着いてから準備すると、無理なく進められます。町内会・自治会のつながりが今も息づく長崎では、地域へのお礼の挨拶も忘れずに行いましょう。

長崎市で受け取れる給付金(1)葬祭費

故人が長崎市の国民健康保険に加入していた場合、葬祭を行った方に「葬祭費」として2万円が支給されます(長崎市公式)。

後期高齢者医療制度に加入していた場合も、長崎県内で2万円が支給されます。

なお長崎市公式には、他の健康保険から葬祭費などが支給される場合は、国民健康保険からは支給されないと明記されています。あわせて、社保本人で社保喪失後3か月以内の死亡であれば、社保から支給される場合があるという案内もあります。この点は後述します。

申請に必要なものと申請場所

長崎市の葬祭費の申請では、次のものが必要です(長崎市公式)。

第一に、葬祭費支給申請書。第二に、葬儀または埋火葬の領収書。ここが長崎市の実務で押さえておきたい点で、領収書がない場合は「会葬御礼」または「死体埋火葬許可証」でも可とされています(いずれも死亡者および埋葬を行った方の氏名が記載されたもの)。第三に、葬祭を行った方名義の通帳。第四に、死亡された方が長崎市以外の住所地の場合は死亡診断書の写し。第五に、資格確認書(交付されていた方のみ)です。

申請場所は、中央地域センター(市役所1階10番窓口)または最寄りの地域センターです。長崎市では市内各所に地域センターが置かれているため、坂の街で移動が負担になる方も、お住まいの近くで手続きできます。

申請期限は、葬祭を行った日の翌日から起算して2年間です。問い合わせ先は国民健康保険課給付係(095-829-1136)です。

ここで大切なのが、会葬御礼や葬儀の領収書を保管しておくことです。葬儀後はあわただしく書類を紛失しがちなので、ひとつのファイルにまとめておくとよいでしょう。

長崎市で受け取れる給付金(2)埋葬料

故人が会社員・公務員などで、社会保険(協会けんぽ、各種健康保険組合など)に加入していた場合は、「葬祭費」ではなく「埋葬料」が支給されます。埋葬料は全国一律5万円です。

申請期限は、埋葬を行った日の翌日から2年以内。申請は勤務先を経由するか、協会けんぽの場合は協会けんぽの支部が窓口になります。被扶養者が亡くなった場合は、被保険者本人に「家族埋葬料」として5万円が支給されます。

なお、葬祭費と埋葬料は両方を受け取れるものではなく、加入していた保険に応じてどちらか一方となります。故人の保険証で、どの保険に加入していたかを確認しましょう。

長崎ならではの給付——被爆者の「葬祭料」(222,000円)

長崎市で葬儀を終えた後、被爆地・長崎ならではの給付として必ず確認したいのが、原爆の諸手当のひとつ「葬祭料」です。

被爆者健康手帳をお持ちの方が亡くなったとき、その葬祭を主として行った方に葬祭料が支給されます。支給額は222,000円(令和8年4月1日以降に亡くなられた場合/長崎市公式)。国民健康保険の葬祭費2万円とは金額の桁が異なり、ご遺族の負担軽減という点で大きな意味を持ちます。

申請には次のものが必要です。死亡診断書(コピー可)、被爆者健康手帳(紫色の手帳)、手当証書(なくても可。ただし医療特別手当受給者は原爆症の認定書が必要)、申請者の普通預金通帳、そして会葬御礼の礼状・葬儀代金の領収書・埋火葬許可証・火葬領収書のうちいずれか一つ(いずれも原本で、死亡者名と葬祭執行者名が記載されたもの)です。

申請期限は死亡してから5年。国保の葬祭費(葬祭を行った日の翌日から2年)より長く設定されていますが、忘れないうちに手続きするのが安心です。手続き場所は各地域センターで、喪主(葬祭執行者)以外の方が申請する場合は喪主からの委任状が必要になります(書類を窓口に持参するだけの代理提出であれば委任状は不要です)。

いくつか注意点があります。死亡原因が交通事故や先天性疾病など、原子爆弾の傷害作用の影響によるものでない場合は、葬祭料が支給できないことがあります。また、引っ越しの際に転居先の都道府県や広島市で手帳の切り替えを行わず、長崎市発行の被爆者健康手帳をお持ちのまま亡くなられた場合は、長崎市の原爆被爆対策部 援護課(095-829-1149)へご連絡ください。長崎市の手帳をお持ちでない方は、手帳を発行した自治体へお問い合わせください。

なお、この葬祭料は国民健康保険の葬祭費とは別の制度です。故人の加入していた健康保険に応じた葬祭費・埋葬料と、被爆者としての葬祭料は、それぞれ要件を満たせば申請できます。ご家族に被爆者健康手帳をお持ちの方がいらっしゃる場合は、手帳の所在と、会葬御礼・領収書などの書類を必ず保管しておきましょう。

見落としやすい「社保喪失後3か月以内」のケース

前述のとおり、長崎市公式には社保本人で社保喪失後3か月以内の死亡であれば、社保から支給される場合があると案内されています。

会社を退職して国民健康保険に切り替えた直後に亡くなった場合、元の社会保険から埋葬料(5万円)が支給される可能性があり、その場合は長崎市の国保からは葬祭費が支給されません。

金額で見ると、社会保険の埋葬料5万円は国保の葬祭費2万円より高額です。「退職して間もない方」が亡くなった場合は、まず退職日を確認し、3か月以内であれば元の勤務先の健康保険へ問い合わせるのが有利です。判断に迷う場合は、長崎市の国民健康保険課か元の勤務先に確認するのが確実です。

給付金は「後払い」であることに注意

葬祭費も埋葬料も、申請してから振り込まれるまでに時間がかかります。つまり、葬儀費用を支払うタイミングでは手元にありません。

給付金は「後から戻ってくるもの」と考え、葬儀費用そのものは別に用意しておく必要があります。また、これらは自動的に支給されるものではなく、必ず申請手続きが必要です。申請を忘れると受給できなくなってしまうため、早めの申請を心がけましょう。

死亡届と火葬許可証の基礎

葬儀の前後に行われる基本的な書類手続きも押さえておきましょう。

人が亡くなると、医師が「死亡診断書」を発行します。これと一体になった「死亡届」を、死亡の事実を知った日から7日以内に市区町村へ提出します。死亡届を提出すると「火葬許可証」が交付され、これがないともみじ谷葬斎場での火葬ができません。

火葬が済むと、火葬場で火葬執行済みの証印が押されて返却されます。この証印が押された書類が「埋葬許可証」となり、納骨の際に墓地や納骨堂へ提出する必要があります。骨壺とともに大切に保管してください。前述のとおり、この書類は葬祭費の申請書類としても使える場合があります。これらの手続きは、多くの場合、葬儀社が代行または案内してくれます。メモリードでは、役所手続きまでワンストップで代行しています。

健康保険の資格喪失と世帯主変更

葬儀後に必要となる主な手続きのうち、比較的早めに行うものを整理します。

健康保険の資格喪失手続きは、故人が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合、資格喪失の届出を行います。社会保険の場合は勤務先を通じて手続きします。この際、あわせて葬祭費や埋葬料の申請について確認すると効率的です。前述の社保喪失3か月ルールに該当するかどうかも、このタイミングで確認しておきましょう。

世帯主変更届は、故人が世帯主だった場合、世帯に複数の人が残るときに必要となり、原則14日以内に行います。

このほか、公共料金や各種契約の名義変更・解約も必要です。長崎市では各地域センターで多くの手続きができるため、必要書類を持って最寄りの窓口で一度に済ませると効率的です。

相続・年金に関わる手続きの概要

給付金以外で見落としやすいのが相続と年金の手続きです。いずれも専門性が高く、期限のあるものが含まれます。

年金は、受給を止める手続き(受給停止)と、条件を満たす場合の未支給年金・遺族年金の請求があります。国民年金・厚生年金で期限や窓口が異なるため、早めに年金事務所などに確認しましょう。

相続は、遺産の確認、遺言書の有無の確認、相続人の確定、相続税の申告(必要な場合)などがあります。相続放棄を検討する場合は、原則として相続の開始を知った日から3か月以内という期限があります。相続税の申告が必要なケースでは10か月以内という期限もあります。

長崎では、斜面地の不動産など、評価や処分の判断が難しい財産が含まれることもあります。専門的な判断を伴う場合は、必要に応じて専門家に相談すると確実です。

法要・納骨・仏壇の準備

宗教儀礼としては、四十九日法要や納骨、一周忌などが続きます。

ここで長崎の慣習として押さえておきたいのが、「三日参り(みっかまいり)」です。葬儀の翌日に喪主がご菩提寺へ伺い、宗教者へのお礼をお納めするという、長崎に古くから根づいたしきたりを指します。長崎では、お礼を葬儀当日その場でお渡しするのではなく、翌日にあらためてお参りしてお納めするのが一般的です。

そして三日参りは、今後の法事について打ち合わせる大切な機会でもあります。初七日をどうするか、四十九日をいつ営むか、納骨はどの時期にするか——こうした先の予定を、この場でご住職と相談して決めていきます。ご住職から法話をいただくこともあり、葬儀を終えたご遺族が気持ちを整える時間にもなります。葬儀直後の慌ただしい時期ではありますが、ここで四十九日の日取りまで固まると、その後の準備が格段に進めやすくなります。

初七日法要を告別式当日に繰り上げることが一般的になった現在、地域によっては三日参りを省略することもあります。それでも長崎では今も比較的多くのご家庭が続けているしきたりですので、お礼は翌日に持参できるよう準備しておきましょう。伺う時間帯や表書きなど、迷われる点があればご相談ください。

納骨の時期に厳密な決まりはありませんが、四十九日や百か日、一周忌などの節目に合わせて行うことが多いです。

仏壇や墓地が未準備の場合は、この時期にあわせて検討します。菩提寺がある場合は、法要の日程をご住職と相談しながら決めるのが基本です。キリスト教式の場合は、追悼ミサ(カトリック)や記念式(プロテスタント)といった形で節目を迎えます。宗教ごとの違いは長崎市のキリスト教式・神式の葬儀ガイドで解説しています。

メモリードでは、後飾りの設置、法要のご相談、ご納骨のご案内まで、葬儀後のアフターケアに対応しています。お墓の建立、仏壇・お位牌の手配についてもご相談いただけます。

形見分け・遺品整理のタイミング

故人の遺品の整理や形見分けは、気持ちの整理がついてから、無理のないペースで進めて問題ありません。一般的には、四十九日の法要を区切りとして始める方が多いようです。

ただし、賃貸住宅の退去期限がある場合や、相続の手続きで財産の確認が必要な場合は、早めに着手する必要があります。貴重品や重要書類(預貯金通帳、保険証券、不動産関連、年金手帳など)は、相続や各種手続きに関わるため、整理の早い段階で確認しておきましょう。

葬儀後の手続きスケジュールの目安

葬儀後の手続きは数が多いため、おおまかな時間軸で整理すると進めやすくなります。

葬儀直後から数日以内に、葬儀費用の精算、宗教者・町内会・お世話になった方への挨拶まわりを行います。2週間程度を目安に、健康保険の資格喪失や世帯主変更、公共料金・各種契約の名義変更など、生活に関わる手続きを進めます。

給付金(葬祭費・埋葬料)は申請期限が2年間と比較的余裕がありますが、忘れないうちに早めに申請するのが安心です。年金関連は受給停止などの期限があるため早めの確認が必要で、相続に関する手続きは相続放棄の期限(原則3か月以内)など期限のあるものから優先します。

すべてを一度に進める必要はなく、期限の近いものから順に取り組めば必ず片づきます。手続きが多くて混乱しそうなときは、「やること」を紙やスマートフォンに一覧化し、期限の近い順に並べると進めやすくなります。

メモリードのアフターケア

メモリードでは、式後の後飾り設置、法要のご相談、ご納骨のご案内まで、アフターケアに対応しています。法要は四十九日、一周忌、三回忌、七回忌と葬儀後も長く続きます。会場手配やお料理の準備までサポートできるため、ご遺族の負担を大きく軽減できます。

また、相続・遺品整理・各種手続きについても、必要に応じて専門家と連携しながらご案内します。「次に何をすればよいか分からない」というときも、遠慮なくご相談ください。

よくある質問

「長崎市の葬祭費はいくらですか」という質問には、国民健康保険の場合2万円で、申請場所は中央地域センター(市役所1階10番窓口)または最寄りの地域センターとお答えしています。「領収書をなくしてしまいました」という質問には、長崎市では会葬御礼または死体埋火葬許可証でも申請可能とされているとお答えしています。「葬祭費と埋葬料は両方もらえますか」という質問には、加入していた保険に応じてどちらか一方で、社保喪失後3か月以内の死亡なら社保から支給される場合があるとお答えしています。「申請はいつまでですか」という質問には、葬祭を行った日の翌日から起算して2年間とお答えしています。「三日参りとは何ですか」という質問には、葬儀の翌日に菩提寺へ伺い、宗教者へのお礼をお納めするとともに今後の仏事を相談する長崎のしきたりで、この場で四十九日の日取りまで決まることが多いとお答えしています。

この記事のまとめ

葬儀後は、期限のある給付金の申請を優先しつつ、挨拶・諸手続き・法要を落ち着いて進めることが大切です。長崎市の葬祭費は国保で2万円、申請は中央地域センターまたは最寄りの地域センターへ。領収書がなくても会葬御礼や死体埋火葬許可証で申請できる点、社保喪失後3か月以内は社保の埋葬料5万円が優先される点も押さえておきましょう。

何から手をつければよいか分からないときは、メモリードのアフターケアが流れに沿ってご案内します。

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※給付金の金額・申請条件・必要書類・窓口は制度改定や自治体の運用により変わる場合があります。本記事は長崎市公式情報(掲載時点)に基づきます。申請時は長崎市、長崎県後期高齢者医療広域連合、協会けんぽ等の公式情報で最新の内容をご確認ください。

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